EMUSpeedClub’s blog

Eizo's Meet Up 略してEMU!Zwiftミートアップを定期開催中!

B級Zwifter、大画面4kを夢見る。

こんにちは、春宵です。

みなさんどんな環境でZwiftを嗜んでいらっしゃるでしょうか。
5インチ程度の画面のスマートフォンからシーツを垂らしただけの大画面プロジェクターまで様々な方がいらっしゃると思います。
Windows, iOS, android... 利用しているOSも様々でしょう。

しかし繋がる先は同じWatopiaであり、同一の平面上でお互いに切磋琢磨しています。
では、画面に見えているものは同じなのでしょうか。出力表示、周囲のライダーの情報、憎たらしい斜度表示等は確かに同一でしょう。
しかし、車道に落ちるあなたの影や遠くに見えるアルプスの風景等はデバイスによる違いが大きく作用します。車体の描写の克明さやカクカクヌルヌルといった表現がされる動き具合も、プレーヤー間で大きく異なるでしょう。

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4K(UHD) zwiftの世界

これらは改善しても別に速くなるわけでも、強くなるわけでもありません(よっぽどひどいFPSでプレーされている方は改善することでいろいろと立ち回りがうまくなるかもしれません)。
Zwiftをただのトレーニングソフトと考えている方にはこの記事は全くもって不要な情報でしょう。しかしZwiftという世界にトレーニングの場以上のものを求めている方、少しでも風景をみて思うことがある方にとっては有意義な情報かもしれません。


この投稿ではまずZwiftにおけるスペックと達成される解像度の関係についてお話しします。
次いで、私の自宅環境における低価格での4K60Hzを目指した構成とその結果をご紹介します。

1. Zwiftにおける解像度とスペック

Zwiftの画質は大きく、表示内容・画面解像度・フレームレートが作用します。

表示内容(Shadow resolution)

表示内容(先述した影)はShadow resolutionの値で決定される様です。遠景は解像度依存と考えられます。解像度は次に説明します。
Shadow resolutionは256, 512, 1024, 1536, 2048の五段階のパラメーターが設定されており、これにより描写が変化します。Shadow resolutionはより高いグラフィック環境で高い値がデフォルトで設定される様ですが実際の決定プロトコルに関しては調べた限りではわかりませんでした。
こちらの値はZwiftのConfigファイルで自分で書き換える事ができます。ただしShadow resを上げるとFPSを下げる方向に作用するので、書き換える場合は自分の環境にあった値を選びましょう。

くれぐれも書き換えは自己責任で。書き換え前のファイルのバックアップを忘れずに。

zwiftinsider.com

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Shadow resolution次第で自分の影の描写は全く異なる。

解像度

解像度はZwiftの設定画面から変更することができます。ただし、そのPCのスペックに相応しくない解像度はそもそも選択肢に出てこない仕様となっている様です。
実際に1440p, 2160pの選択項目は一部の人の目にしか触れません。

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Zwift設定画面
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解像度別の見え方比較

普通の画面でZwiftを行っている分にはFull HD(1080p)もあれば十分でしょうが、50インチを越えるような大画面を用いて至近距離で行う場合ではFull HDではアラが出て、より高い解像度が望ましいと考えられます。

フレームレート

フレームレートはデバイスのスペックが最もよく反映されるパラメーターです。ただし同時立ち上げしているアプリやCPU/GPUの熱状況等にも左右される項目でもあります。
要するに1秒間に何回画面が切り替わるかという値です。60FPS(=frames per second)ですと1秒間に60回画面が更新されるとなります。
FPSが高くなればヌルヌルを自然な動きになり、低くなるとカクカクとした飛び飛びの動きになってしまいます。
常時同一の値をとる訳ではなく、単独走と大人数のグループライドでは画面上に表示する情報量が圧倒的に違いますので同じ環境でも大きく違う値を出します。
公式グループライドのスタート直後、画面が異様にかくかくするのは皆さん、経験したことがあるのではないでしょうか。

自分の行っているZwiftのFPSの確認はZwiftalizerにログをアップロードすることで確認することができます。後でもう少し詳しくお話しします。
zwiftalizer.com


また、PC版ではconfig filesを書き換えることで画面上に常時FPSを表示することも可能です。やり方は下のzwift insiderの記事を参照してください。こちらも自己責任でお願いします。


Zwift insiderのFPSの項目では普通の人は30FPSもあれば満足できるけどオタクなら90FPS以上でしょう、としています。また著者の"個人的意見"として20FPS以下が多くを占める場合は"your Zwift experience is fairly miserable"、つまり"あんたのZwift生活は悲惨だよ"、としています。また40FPS以上あれば十分ともしています。そのあたりを基準とすると良いでしょう。
zwiftinsider.com

また、Full HDまでであれば問題ありませんが、それ以上の解像度を求めた際に60FPS以上を実際に活かそうと考えるとモニター、ケーブル等の規格を気にしてそれなりのコストを掛ける必要が出てきます。部屋の隅に落ちているHDMIケーブルをつないでも、意識しないで購入したケーブルのほとんどはHDMI 1.4の規格で作られているでしょうから、規格上4K表示は30FPSが上限となります。
90FPSのZwiftでぬるぬる感を味わおうと思ったら4Kゲーミングモニターという普通のモノの倍くらいの値付けがされたモニターを用意する必要が出てきます。



ここまで読んで興味を持った方でPCでZwiftをされている方は、まず自分の環境でどの程度の解像度、FPSが出ているのかを確認してみましょう。
興味が全く沸かなかった方はこのままそっとタブを閉じるかままさんのダイエット記事を読み込みましょう。

emuspeedclub.hatenablog.com


Zwiftは走行完了後Logファイルを所定の場所に吐き出します。特に設定されていない場合、Windowsでは[ドキュメント]→[Zwift]→[Logs]に出力されます。
そちらを先述したZwiftalizerに登録してみましょう。自分のPC環境および解像度、FPS、評価が解析されて表示されます。また、通信エラーの発生状況等も確認できますので通信エラーで困っている際には特定の傾向がないか参考にするとよいでしょう。

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Zwiftalizer network評価画面

2. 目標環境と大まかなスペック

 ここからはZwiftalizerにアップロードされたベンチマークを見て代表的な環境と想定されるFPSを記載します。当然ですが配信やバックグラウンドで他の作業をされる方はより高度な環境が必要となります。

i) デスクトップ PC Core i5 オンボード(Intel HD or UHD graphics 630)
一般的な5-8万円程度のデスクトップPCがこの程度。CPUの進歩は日進月歩なので一概に言えないがFull HDで30-40FPS程度となると考えられる。

ii) ノートPC Core i5 オンボード(Intel HD or UHD graphics 620)
こちらも6万円程度のノートPCから搭載されるCPU。Full HDで20-30FPS程度が見込まれる。もしかしたらfairly miserableかも…

iii) デスクトップPC 安価なグラボ(GTX 1050 or 1650)
電源要求が少なく(300W)、BTOでも搭載されやすいモデル。Full HDではよっぽど古いCPUでなければCore i3でも60FPSが期待できる。
4Kでもi5で30-45FPS程度が達成されると考えられる。

iv) 比較的ちゃんとしたグラボ(RTX2060)
安めのゲーミングPCに搭載されるグラボ。Core i5でも4K 60FPSは余裕そう。

v) apple TV 4K
割とZwiftに用いている人も多い。いろんなところで便利ともてはやされているモデル。実際には4K表示されるのはメニュー画面のみで3D描写はFull HD(1440pという情報も)。FPSも30FPS前後と今ひとつ。
ただし安いこと、Macユーザーは録画をアウトソーシングできて本体に負荷をかけないことがメリット。
参考: Zwift Computer Buyer's Guide 2019-2020/Zwifter Blog
blog.zwiftalizer.com

vi) Macbook Pro
世代によりスペックが大きく異なり一概に言えないが2016年以降のモデルであればFull HD 40FPS前後が達成されるか。グラボ搭載モデルはそのグラボ依存、当然4K 60FPSが余裕なものもあり。


Full HD 40FPSを一つの目安とすると達成するためには最低限GT1030やGTX1050といった安価なグラフィックボードが必要と考えられます。逆にそのスペックがあれば4K表示でも-10FPS程度が達成できます。RTX2060以上であればバックグラウンド作業をしなければ4K 60FPSは余裕でしょう。

3. 春宵家Zwift環境

とても個人的でどうでもいいことですが今回引っ越しましてそれを機にZwift環境を再構築しました。
それまでは自宅用メインPC(Core i7 3770, 8GB, GTX1060 6GB)からリビングの古いテレビ(40inch, Full HD)に出力してZwiftを行っていました。しかし引っ越した後書斎とZwift部屋を分けることができるようになり、あらたに4K 60FPSを目標に環境を構築しました。
コンセプトはできるだけ安価に最高環境を、です。

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自宅環境

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画面サイズは視聴距離から算出します。モニタまでぎりぎりまでKickr Climbを寄せてリラックスした状態での視点の位置から想定される画面までの距離が100cm弱でしたので、50インチが適切と判断しました。
実際にはより前傾した姿勢でZwiftしているので画面が過大でした。左右上の表示は見ようと思わないと見えません。後視点によっては酔います。

モニタはIT技術ロードバイク日記の著者ITさんが使用されているモデルの廉価版です。
高々60FPS, 4Kチューナー不要でこちらをセレクトしました。
rbs.ta36.com

実際に構築した環境でZwiftを行ってみたところ、没入感は確実に改善しました。目の疲労感は1時間程度では気になりません。至近距離視聴ですがモニタのドットも気にならず快適です。

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Zwiftalizer評価画面

出力が60FPSなので最大FPSは60で設定しており、もくろみ通り、余裕を持って常時60FPSを達成できています。

皆さんも自分のZwift環境を評価して、よりよい環境でZwiftをプレイしてみませんか?

最後までお読みいただきありがとうございます。

春宵

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