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免疫システムと小麦の話

こんにちはEMUのげんです。

今回はタイトル通り、免疫と小麦をテーマに書きたいと思います。

EMUダイエットクラブで実際グルテンフリーってどうなの?ということに再度疑念を持ち、以前に自分で英語の記事や論文を翻訳したものを加筆修正しております。

 

まことに申し訳ないですが翻訳スキルと文才の不足のため読みにくいと思います笑

大目に見てください(^_-)-☆

 

 

もととなっているのはFASTTALKです。スポーツ生理学・運動学の専門家のトレバー・コナーがグルテンフリーかつパレオダイエットに変更して大幅に自身のパフォーマンスをあげたということで気になっていました。

 

また先進的な例では ガーミン・トランジションズ が トレーニング や 2010 年 の ツール・ド・フランス 期間にグルテンフリーを試しています。

 

ここから引用

この 判断 の 背景 には、 運動 生理学 者 だっ た アレン・リム 博士 と ヴォーターズ の、 グルテン( 小麦 等 の 胚乳 から 生成 さ れる タンパク質 の 一種) を 摂取 し ない よう に すれ ば 選手 の 体 はより 効率的 に 炭水化物 を 処理 できる よう になり、 腸 の 不調 や 気分 の 落ち込み にも 悩まさ れ なく なる、 との 考え が あっ た。 もちろん 炭水化物 は 他 の 食品 で きちんと 摂取 し ての 話 で ある。

チーム の エース で、 率先 し て 小麦 ゼロ の 食事 を 試し て み た クリスチャン・バンデベルデ は 当時、「 いい 意味 で 驚い た よ。 あらゆる 面 で 消化 が 良く なっ た ん だ。 消化 こそ 摂取 し た エネルギー を 活用 する 上 で 最も 重要 な こと だ からね」 と 語っ て いる。 チームメイト の トム・ダニエルソン も、 2008 年 の ツアー・オブ・ミズーリ で この 食事 法 を 実践 し て 同様 の 効果 を 体験 し て おり、 消化、 睡眠、 回復 の 改善 を 最大 の メリット として 挙げ て いる。   いったい どういう こと なの だろ う?   実は 人体 は、 小麦 を 消化 する 能力 が あまり 高く ない の だ。 牛 と 違い、 人間 の 唾液 や 胃液 には、 グルテン を 栄養 として 利用 する ため に 分解・吸収 する 酵素 が 含ま れ て い ない ため で ある。

引用ここまで

ジェイムズ・ウィッツ; 西薗良太. 世界最高のサイクリストたちのロードバイク・トレーニング:ツール・ド・フランスの科学 (Kindle の位置No.1325-1328). 東京書籍株式会社. Kindle 版.

 

 

その他、参照・参考文献のリスト

https://www.velonews.com/2018/02/training/fast-talk-podcast-ep-37-nutrition-sugar-wheat-paleo-and-performance_456058

 

上記の引用で言いたいのはグルテンフリーが凄いのではなく、プロスポーツ選手でもグルテンに敏感という自分の遺伝的特徴に気づいてないということです。グルテン過敏症じゃない人はグルテンフリーでパフォーマンスあがったりしないので。(その証拠にいまだに多くのプロがパスタをドカ食い、パンもドカ食い、補給食もパンにチーズとかハムとかジャムいれて食べてる)

 

つまりこの記事を読んでいるあなたも気づいてないかも?

 

まぁ前置きが長くなりましたが、難しく考えずに!

大げさな話をするつもりはなく、グルテンフリーを有名にしたジョコビッチ選手ですらグルテンフリーに変えるまでに既にトップ選手になってますので、前提として極端な例でない限り、グルテン過敏症・不耐症の方でも小麦を食べても別に大丈夫といっても差し支えないでしょう。

でも小麦をやめることによってパフォーマンスが上がる人たちがいることも確か。

 

そこにどういった理由があり、科学的に検証された事実があるのか???

 

 

結論を先に書くと現在の科学的知見では

グルテンは一定の人間にとって免疫系等に悪影響を及ぼすことが分かっています。がそれ以外の人にとっては全く問題ありません

 

しかし日々、品種改良されてますので、年々新しい小麦が生まれて、それに過敏に反応する人も増えてくるかも?現代の小麦は昔と全く違うものでタンパク質も違います。今大丈夫でも新しいものが出来れば、合わない人が出てくる・・・

怖いですね!

 

では解説です。

 

正常な消化器官と免疫 ここから最後まで飛ばし推奨(笑

私たちの消化管・免疫システムはものすごい複雑で50x10⁹の数の免疫細胞で腸管関連リンパ組織(GALT)が構成されています。これは何かというと外界と接する気道や消化管の粘膜にあるリンパ組織の総称で、これにより腸管粘膜防御機構が働いています。

なぜ免疫細胞による防御機構が消化管で展開されるのか、それは消化器官が常にバクテリアや食べ物、病原体などによるストレスにさらされているからに他なりません。専門用語が多すぎるのでここでは複雑なプロセスを簡易化して説明します。この防御機構を3層構造だと想像してください。

  • 最初の層は腸の粘膜です。この粘膜がほとんどの場合異物の侵入を防ぎ、防衛ラインの最前線として機能しています。ここが破られることが俗に言われるリーキーガット、日本語では「腸管壁浸漏症候群」といいます。
  • 次に抗原提示細胞です。これは簡単に言うと食べ物のカスやバクテリア、病原菌のサンプルを取り、免疫システムに提示する役割を持っています。
  • そして最後にT細胞です。これが一般的に言われる免疫システムで、このT細胞がどういう働きをするかによって更に細かく分類されています。

 

↓T細胞解説:京都大学の河本先生の解説

http://kawamoto.frontier.kyoto-u.ac.jp/public/public_009.html

 

本当に重要なのは腸内細菌

この免疫システムの働きで病原体を防いだりするのは実は稀で、本当の仕事は腸内細菌の管理をすることです。100種類以上、100兆個以上の細菌が腸内にはあり、人間の細胞60兆よりはるかに多いことからも腸内細菌がどれだけ大事かお分かりいただけると思います。

病原体はもちろん、この細菌が善玉であれ悪玉であれ腸内に留まっていることが大切で、もし体内(血液)などに侵入してしまったら炎症や拒絶反応を起こし、痛み・熱・寒気などの風邪の症状につながるわけです。

なので免疫システムはこの腸内細菌(善玉)と友好関係を築き、有益な腸内細菌に対しては炎症を起こさないように制御性T細胞と抗原提示細胞(一部の特化したもの)が常に炎症を抑える働きをしています。そして有害な細菌をひとつづつ取り除いていく作業をします。

 

細菌に侵入されたときの免疫反応

この免疫システムで大体のことは防げていますが、たまに細菌に侵入されます。侵入されると先ずは抗原提示細胞の抑制機能が失われ、次に血液の中にある免疫細胞が動員されます。そして最後に炎症を抑える役割の制御性T細胞が強力な免疫細胞であるTh17細胞にバトンタッチします。この細胞は細菌感染をコントロールし殺すことが役割で私たちの体にも負担が大きいのですが、速やかに細菌を除菌することで自らが負うダメージを最小限にしています。

 

免疫システムが「大丈夫」じゃなくなる時

これは免疫システムの対応力以上の細菌が侵入した場合、もしくは炎症が抑えられなくなる時です。炎症が拡大し、制御性T細胞とTh17細胞のバランスが崩れ最終的にはTh17細胞が制御不能/暴走してしまうのです。こうなるとTh17細胞が体内に入ってしまい喘息や循環系の病気、セリアック病、関節リウマチ、クローン病、糖尿病、多発性硬化症などの自己免疫疾患につながってしまう可能性があります。

「大丈夫」じゃない状態に陥る3つの原因

  • リーキーガット症候群(日本語正式名:腸管壁浸漏症候群)
  • 慢性的な、もしくは一度に大量の細菌の侵入がある場合
  • 取り入れた食べ物の性質によって免疫システムが攻撃される場合

これら3つの原因を併発させる私たちが現状唯一把握している食べ物が小麦です。

 

小麦のグルテンはそれ単体はセリアック病などの病気ではない人にとって有害なものではありません。しかし、免疫力を低下させ炎症を引き起こしやすい状態にしてしまうことであらゆる生活習慣病などの原因になってしまうのです。(とこの記事には書いてあるけど、実際にそれを証明する論文まで勉強していません。すいません。ぶっちゃけ気にしなくていいと思います。)

 

小麦に含まれるゾヌリンというタンパク質は腸粘膜の上にある上皮細胞のすき間を結合しているタイトジャンクションという扉・門を開ける特質があり、これがリーキーガットを引き起こしているというのは徐々に認知されてきています。この作用を増長させるものとして一つは悪玉菌、もうひとつは小麦に含まれるグリアジンというたんぱく質です。そしてセリアック病の人には特に強力に働くグリアジンですが、普通の人にも例外なく働きかけます。

 

つまり健康な腸内免疫システムでははじかれる消化されなかった食べ物やウイルスがゾヌリンとグリアジンのコンボによってタイトジャンクションが開けられ、透過性の高い腸となってしまいそれらの侵入を許してしまうということです。

 

更に問題は小麦が他の食品と同時に接種されることで、多くの抗原(免疫反応を起こさせる物質の総称)の侵入を許し、免疫システムがこれらを誤認して間違った免疫反応を起こし病気につながるという連鎖です。

 

リーキーガットは悪玉菌が増えすぎるか小麦のグルテンとゾヌリン・グリアジンにより引き起こされるということ。

 

小麦の性質:免疫システムの警報機能をオフに

最後に小麦が人や動物に食べられつづけたことにより発展させた防御システムの話です。もちろん植物なので走って逃げたり等はできないわけで、食べられた後に捕食者を攻撃して「もう食べるなよ」というのが小麦の防御システムな訳です。

病原体や細菌は人間の体の仕組みに構造を似せて侵入したり、人間が取り込む物の影に隠れたりして様々な侵入方法を試みてきますが、小麦は細菌ではない代わりに構造を一種のバクテリアに似せる・マネすることにより免疫システムをだまします。もちろんタイトジャンクションを開けているので容易に侵入できるわけですが、侵入したあとで樹状細胞のアラーム機能をオフにすることが分かっています。この働きをする細胞をアミラーゼトリプシン阻害物質(ATIs)といいまして何と小麦はもちろんそれ以外の多くの穀物に含まれています。そして炎症を起こすレクチン(wheat germ agglutinin,WGA)を侵入させ、さらに先ほど挙げたグリアジンが抗原提示細胞の炎症を抑える指示を出すのを阻害することで・・・略)

 

ここまでで小麦が多くの技・性質・機能を持つことが分かったと思います。

簡単に言うと小麦を筆頭に多くの穀物は人間の免疫バリアを通り抜けアラームをオフにし炎症を引き起こす力を持っています。小麦は特に力が強いという認識でいいと思います。(穀物だけでなく野菜にも似たような防御システムを構築しているものがある)

 

なぜ多くの人が小麦を食べるのに病気にならないのか

小麦を食べることで多くの生活習慣病やほかの病気になる可能性が高まることを書きましたが、なぜ病気になる人とならない人がいるのか。これは現在は遺伝ということで、大丈夫な人は大丈夫としかわかっていません。元も子もないです!そういうことなんです笑

 

 日本人には白米がある

このアミラーゼトリプシン(タンパク質を分解する酵素の一種)阻害物質はもちろんお米にも含まれていまして、それが多くの健康オタクがすべての穀物を摂取しない理由なんですが、この阻害物質はお米の殻の部分にあるわけで、精米された白米には存在しないといわれています。よく言われるように白米は純粋な炭水化物・糖ということなんです。とはいえ普通の白米はGI値81!なので食べるときはなるべく血糖値に気を付ける必要があるとは思います。野菜を先に食べる、よく噛んで食べる、運動するなどの対応次第で小麦より優秀なエネルギー源なのではないでしょうか。(あと一旦冷やしたらレジスタントスターチになるよ)

 

~最後にまとめ~

小麦に敏感な人は小麦をやめると免疫力が向上する・腸内環境が良くなる。で腸内環境がよくなれば栄養をより接種できる!小麦に敏感なことを気づいていない人が多数!

 

でも多くの大丈夫な人は流行っているからとか、その他の理由でグルテンフリーにする必要はない。そしてダイエットにも全く関係ない。むしろ悪いw

 

小麦に敏感な人はグルテンフリーでパフォーマンスが上がる。

なぜなら腸内環境の改善による消化能力の向上、栄養吸収能力、免疫力向上で様々な恩恵があるので。

例えば筋肉の糖吸収能力が高まるとか

https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2018/05/press20180523-undouzikyuryoku.html

(↑東北大学研究成果へのリンク)

また免疫力=リカバリー能力でもあるので。トレーニングの質が上がる→速くなる!

 

注意点はサプリや化学反応で炎症を抑えるタイプのリカバリー方法をとると免疫が働かず、練習後の適応が起きにくいので、練習してもその効果が落ちるので注意。

 

古典的なマッサージなどの血流を良くしたりする方法はもちろんOKです。

 

ちなみに大体の腸内環境は母親の産道を通るときに受け継がれるらしいですが、それ以外にも生活環境によってものすごい差異があるわけで・・・

帝王切開の赤ちゃんは腸内細菌少なくて免疫力は低くなるらしいし。

あと子供のころに犬を飼っているかどうかでもかなり免疫力に差が出ます。

子供も一人目より二人目や三人目の方が上の子供が持ってくる菌によって免疫がついて高い免疫力になります。

 

その上、小麦への敏感性は遺伝ということで免疫力のかなりの部分は運!

大人の皆さんは様々なサプリ等もある現代、自分にあった菌を是非見つけてください。

 

栄養で科学的に免疫力改善に役立つと証明されているのはビタミンD,ビタミンC,βグルカン、亜鉛、などなど

まぁビタミンミネラルは全部大事だけど笑

(特に屋内にいるズイフターはビタミンD欠乏の傾向にあると思います。太陽の光を浴びて合成するので)

 

以上、長くなりましたが、グルテン過敏の可能性のある方は試験的にグルテンフリーに挑戦してみてはいかがでしょうか?これでめちゃくちゃ速くなった人たちがいるのは事実ですので。

 

もちろんグルテンフリー関係なく、免疫力は大事なのでオススメの菌貼っときます。

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