EMUSpeedClub’s blog

Eizo's Meet Up 略してEMU!Zwiftミートアップを定期開催中!

Japan meetup championship インサイドストーリー 第3話

スタートラインに並ぶ選手たち。

見えているのはZwiftのWatopiaにログインしたアカウントデータをアプリが3D表示している幻影だ。

しかし、日本の各地で、コンセントレーションを高めてサドルに跨る男たちが透けて見えるのは気のせいだろうか?
わたしには、そんな、オーラのようなものが感じられた。

ある人は関東の自室から、那須ブラーゼンの皆さんは栃木県那須の合宿所で、インザスカイは静岡から、KIRI Pさんは関西から。

他にも、様々な場所からログインをしているにも関わらず、本当にレースのスターティンググリッドに並んでいるような気さえする。

2分前になって見ると、いつもと違い、全員が青いローラー台でスタートを待っている姿が見える。

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ほとんどの選手がペダルを漕ぎながらスタートに備えている
パレードスタートのないこのレースでは、確実にスタート直後に繰り広げられるであろう、シクロクロスのスタートさながらのスタートセレクションに備えるためだ。

静かにカウントダウンが0になる。

後日の話だが、このスタートで遅れたインザスカイは、スタートになるまでペダルを止めていたようだ。

数秒の遅れ。それが完全なまでの命取りになった。



そしてスタートしてわずか30秒後、集団のスピードは60km/h台中盤に到達。

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66km/hで走行するnaosiさん
これは、同じ場所でBLITZENの鈴木龍選手がスプリント勝利を上げたときの速度に匹敵する。(最高速は下り時だったが)

その後、EMUのトップランカーに聞いたところ、スタートセレクション自体の強度はそこまで苛烈なものではなかったとのこと。
やはり、zwiftレースの定石が分かっていれば対応できる展開ではあった。

逆にzwiftに慣れていない選手を中心として、10名程度と推測される人数が集団から脱落。
ReVeloの鉄砲玉(zwift歴一週間ほど)であるOGEEEEEさんもここで脱落。

LINEで感想を聞いたところ、

『スタート切ってから漕ぎ出したらあっという間に置いて行かれました。現場から以上です。』

とのこと。


その後の揺さぶりについてもzwiftのドラフティング効果が高いことを知っているメンバーについては焦らず対応を取っていたようだ。


さて、段々と千切れていく選手たち。
一般人代表の七宮さん(Zwift経験豊富)はZwift KOM裏が始まる手前のレース開始9分頃までなんとか付いていったがそこで千切れてしまったようだ。

よく頑張りました。えらい。


さて、Zwift KOM裏(想定タイム3:30の登り:賞設定+2ポイント)では、各チームが狙いを定めていた。

序盤、ZWCのアシスト役であろうsasugaさんが前を引いて集団の出力を上げてセレクションに入る。

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先頭を引くZWC sasugaさんと追随するNICO-OZメンバー

NICO-OZは千切れないことをターゲットに集団前方に詰める。

実はここで、ZWCとEMUの戦いは集団よりも後方で開始していた。

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R Misaki(IKDさん)のyoutubeより Zwift KOM裏開始位置で集団後方に位置取るIKDさんとDAIさん
KOM賞を狙う動きとして、EMUからは高FTPのパンチャーであるDAIさん、ZWCは最強クラスのクライマーであるIKDさんが集団のドラフティングを利用して徐々に前方へ詰めていったのだ。
これは両チームともが(恐らく)事前に計画していた作戦で、通常のレースとは違い、タイム勝負となるKOM賞を最高効率でゲットするための戦略だ。

それに対してNICO-OZ及び那須ブラーセンは集団内で耐え、終盤に上げていくという作戦をとった。

結果、NICO-OZのBOBさんは見事に先頭通過をしたものの、KOM賞はEMUのDAIさんが獲得した。

BOBさんは熱い走りで先頭通過したことによりグロータック賞(GT-OIL)を獲得

GT-OIL


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Zwift KOM裏を一位通過するBOBさん
IKDさんが公開している動画中では、エコノミーに走りつつKOMをきっちりと狙いに行く素晴らしい出力コントロールが見られるので是非参考にしていただきたい。

Zwift Japan Meetup Championship

下りに入って脚を休める選手たち。
といっても、きっちりと集団内や集団のすぐ後ろの位置にいないと下りは一気に離されてしまう。

那須ブラーセンの新開選手もここで隙を作ってしまい脱落。

【ロードレース】プロ選手がズイフトレースに参加してみた!!【那須ブラーゼン】ZWIFT

動画内6:20秒頃

集団はかなり絞られる。

しかし、ここでさらに人数を絞ろうとパンチャーたちが揺さぶりをかける

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揺さぶりをかける選手たち

そして、この後EMUの作戦が成功する

独走力のあるKIRI Pさんが"アシスト"として、逃げる。

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果敢に逃げを打つKIRI Pさん

これにより集団が落ち着くと同時に、EMU以外のチームが追わざるを得ない状況にして脚を削る。

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1度吸収されてからさらにもう一度献身的なアタックをするKIRI Pさん

このとき、EMUのエースであるDAIさん、ZWCのSTINGERさんやIKDさん、イナーメのTAKASUGIさんは後方で待機している。
実は、このときではなく、事前の作戦会議でEMU(恐らくZWCも)上位入賞者の予測はかなりの精度で行っており、互いにマークしあっていたのだ。

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先頭集団後方で繰り広げられる知略戦

反対に、KIRI Pさんの逃げを捉えて混戦に持ち込むべく、NICO-OZは積極的にブリッジにかかる。

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ブリッジするNICO-OZトレイン


パンチャーが多く、遊撃していくことを決めていたNICO-OZは、この時点でもかなりの人数を残しており、集団コントロールを行い、散発的に起こるアタックを潰し続ける

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集団コントロールを行うNICO-OZ

他チームの戦略としては、ZWCはIKDさんを逃げ・アシストとして据えていたため、このあたりでも様子見のアタックを繰り返している。

EMUはOtaさんやKIRI Pさんなど、エース以外のメンバーがアタックあった際のチェックを行っており、恐らくブラフであろうと見極めながらも、アタックが決まるのを防ぐ。
チェックに行くかどうかなどはチャットを使い連携を行ったりもしていた。

イナーメのtakasugiさんは、ZWCのStingerさんとIKDさんを対抗と決めており、登りに入る前の21km地点あたりで、チャットを使用してZWCの戦略は分かっているぞという牽制を行っている。
因みに、EMUのはだーじょさんもマークするか考えていたが、昼間に高強度練をやっていたのをtwitterで確認したためZWCにマークを絞ったそうだ。


そして、登りを前にして、EMUのKIRI Pさんが三度目の逃げを打つ

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捨て身のアタックで集団と3秒差をつけるKIRI P選手!

これにより、集団は落ち着きを取り戻し、他チームの動きを封じ込むことに成功したと言える。
集団の状況を見極めて3度も逃げを成功させたKIRI P選手の卓越した戦略眼とフィジカルは間違いなくTARZA賞(敢闘賞)にふさわしい。

この逃げはZwift KOM表の入り口まで耐えきり、EMUのチーム戦略はここまで完全に近い形で成功する。

・DAIさんでZwift KOM裏を取る
・OTAさんや各員はアシストとして他チームをチェック
・KIRI PさんはZwift KOM表まで逃げを打って集団を鎮静化・集団内の他チームへプレッシャーをかける


しかし、Zwift KOM表で、ついにZWCや各チームのエースが動きを開始する。
どのチームも、勝利に向けて、この登りが非常に重要であることを認識しているのだ。

体重・スプリントパワーで勝るNICO-OZ、EMUはなんとしてもこの登りを集団で終えたい。

ZWCはこの登りでエスケープして強力な重量級スプリンターを落とした小集団にセレクションするか、独走態勢を作りたい。

そんな、思惑が鬼のような強度の中、錯綜する。


まず、イナーメのtakasugiさんが序盤でアタック。目的はセレクションだ。

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Zwift KOM表の序盤で強烈なアタックを行うtakasugiさん

付いてくるメンバーを中腹で確認。敢えてZWCを先行させ、Kanoさんを先頭集団に加えることでZWC 2名 vs takasugiさん 1名になることの回避に成功した。
リアルレース、そしてZwiftレースを知り尽くしたtakasugiさんならではのプレイヤースキルだ。


とはいえ、このZwift KOM表でZWCの戦略はほぼ完全なものだったように見える。

IKDさんはこの登りでtakasugiさんと正反対に、そして、Zwift KOM裏と同じく集団後方で登り始めている。

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再度集団後方からKOMを狙うIKD選手


そしてzwift KOM表をきっちりと制圧。

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後続のNICO-OZ、EMU勢に約10秒差をつけるIKDさん、STINGERさん

さらに・・・KOM賞を確保した上で、今回"アシスト"であるIKDさんは、そのままの勢いで鬼引きを開始する。


鬼。うん。鬼。

ごめん、ちょっと語彙力を失ってしまった。

そして、ここからzwift meetup史上まれにみる、鬼対鬼による世紀の"鬼ごっこ"が開始される。

T.IKD[ZWC]
K.STINGER.[ZWC]
Takasugi.XplovaNOZA
A.Kano(JomoR)

に対し、

Dai(EMU SP)
d.Aki Nico oz
k.yama[NICO]
K.Matsuki

このマッチアップだ。

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全霊を掛けた鬼ごっこをする選手たち

私も公平に実況しながらも、EMU,NICO-OZのメンバーでもあるので、手に汗握りながら、がんばれえええええ!!と思っていた。
本当に、脚が千切れ、心臓は爆発するような苦しみに耐えながらローラー台に乗っている選手たち。

DAIさんも後日談で、本当に苦しくて脚を止めそうになったけれど、EMUスペシャルチームとして共に戦った仲間のことの顔(アバターだけど)が浮かんで何度も踏み直したと言ってた。

ZWCにしろ、NICO-OZにしろ、EMUにしろ、その他どのチームも、リアルのロードレースのように仲間の献身の上に成り立つ勝利を目指して、決死の鬼ごっこを繰り広げたのだ。

そして、鬼ごっこは、先頭4人の勝利となり、事前に魅せる走りを約束してくれたtakasugiさんの先駆けスプリントに対し、STINGERさんが圧巻の捲りで勝利を得たのだ。

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スプリントで先頭に立つSTINGERさん


そして、Japan meetup championshipは終わった。


Japan Meetup Championship

終わってみればWatopia figure8のSTRAVA上でのKOM(史上最も速く走った人)はJapan meetup championshipの上位陣で占められていた。



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彼らはこのコースを走った世界中のzwifter約2万人の中で、史上最も速く、そして熱く、駆け抜けたのだった。





今回協力してくださった出場選手の皆さん、協賛してくださったZwift Japan様、GROWTAC様、TARZA様、応援してくれた皆さん、視聴者の皆さん、tweetなどで情報を拡散してくれたり、感想をくださった皆さん。

ホントウに、本当にありがとうございました。



実況の最後にも触れましたが、モグさんはすでに手術を終え、無事退院。これからリハビリが始まると思います。

すでにwatopiaに復帰する気満々(記事公開時点ではすでにしている・・・!?)のようですので、皆さん応援よろしくお願いします!



また、リアルでのロードレースとZwiftレースは似て非なるものです。
物理法則が違う、情報量・質も違う、自転車に伝わる力や損失する力も違います。

私は「異世界」だと思っています。

でも、この素晴らしい異世界にログインすれば、世界中どこからでも、自宅からでも、合宿所でも、仲間と走れるし競い合えます。
これからも、EMUの仲間たちで、そんな切磋琢磨しながら、苦楽しいmeetupを企画していこうと思っています。

みんな、よろしくね!(*´▽`*)



最後に、今日は3/11。東日本大震災から9年が経ちました。
そして今、世界は新型コロナウイルスの脅威にさらされています。
大変だった人。今、大変な人もいると思います。
みんなで力を合わせて、この危機を乗り越えていきましょう!

まずは、zwiftで基礎体力をつけるところから・・・。



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